私は子どもの頃はエレクトーン講師になりたかったのですが、自分のレベルでは難しいと断念し、20年以上、音楽とは関係ない事務の仕事をしていました。そんな私が音楽療法士を志したのは、認知症の父が倒れて寝たきり生活になったことがキッカケでした。
教材は早くに取り寄せていたのですが、約1年半後、父が他界してやっと実を入れて勉強を始めました。通信教育による基礎コースを何とか終了し、次に実技・実習プログラムに移りました。この受講期間は1週間くらいなのかと思っていましたが、私の負担なども考慮してくださり、一日の日帰りで音楽療法のプログラムの組み方をすべて教えていただきました。そこから、準備をして実技を見ていただくまでが、なかなか進まずに苦労しました。特にプログラムは何回も修正が入りましたが、指導にあたってくださった芦田先生も懲りることなく最後まで温かく私に寄り添ってくださいました。
実際に学院長に実技を初めて見ていただいたのは、プログラムの組み方を教わってから5カ月後でした。その時も、声の出し方やカラオケ音源の音域、伴奏の仕方など他にも数えきれないほどの自分の思い込みに気づかされ、目から鱗がぼろぼろ落ちました。その時は厳しくご指導くださったのですが、そのお陰で自分の考えの甘さに気づかされ、音楽療法士としての心構えも学ばされました。
資格取得後は、主に高齢者施設や、介護予防目的での音楽療法を実施しています。この資格は「資格を取ったら終わり」ではなく、実際に現場に出てから学ぶことの方が多いです。学院長はお忙しいにも関わらず、私が仕事で壁にぶつかった時は、いつでも温かく相談にのってくださいます。また定期的に研修もしていただいていますし、そのたびに自分の思い込みに気づかされます。実際に、研修により自分のプログラムの組み方の問題に気づいて修正してみたところ、クライアントの反応の変化を実感することができました。
卒業生同士の交流もできるので、現場の悩みを聞いてもらったり、先輩方のお話を聞けたりと、卒業してからも日々勉強させてもらっています。在学中より卒業してからの方が、学院から得ているものは大きいです。こんな素敵な仕事と仲間と出会わせてくださった増田学院長には、心から感謝しています。