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2016.12.31
特集

音楽療法士〜資格取得後の奮闘記 第十回「変化を見る!」

第10回の音楽療法が終了しましたので、アセスメント、プログラム、記録等ご報告させていただきます。

アセスメント

人数:55名(うち男性20名、女性35名)
今回は、普段実施の第一水曜日ではなく、月曜日としては初めての実施になります。月曜日には、ショートステイを利用されるクライアントが多かったので、初参加の方が10名以上になりました。少しセッション前に話をさせていただきましたが、ショートステイの方々は元気な方が多く見受けられました。初参加のため前列に座られる方が多くいらっしゃいました。時間は14時スタートになります。

プログラム

1.あいさつ
初参加の方が多いと以前から聞いていたので、自己紹介から始めました。

2.準備運動
・丹田呼吸法
・発声法
発声法は今回は元気な方が多かったため、2種類実施致しました。内容は、ゲゲゲの鬼太郎のモノマネ、ドレミの音階を声に出す(「はにほへといろは」も実施)。

3.季節の歌
『たき火』を歌唱。その後、歌詞なしで冬の童謡曲を2曲思い出し歌唱。2曲は、「雪」「ふじの山」になります。
→たき火は、しっかりと声を出されて唄うことは簡単でした。その後に、「奈良では最近たき火をする方はいらっしゃいますか?」といった会話もさせていただきました。童謡曲2曲の歌唱は、今回は声もよく出ていたため、どちらも2番まで思い出し歌唱しました。「雪」は、1番2番とややこしかったため、誘導しながら歌唱。「ふじの山」は、「2番はどんな始まりですか?」と聞くと、多くの方が「青空高くから!」と答えていただけたので誘導無しで2番まで歌唱できました。

4.手遊び歌
『お正月』を歌唱し、同時に手遊びを実施。内容は、両手にて「1の指→2の指→3の指→手拍子1回→3の指→2の指→1の指→手拍子1回」になります。
→歌唱した後、歌詞を振り返り「凧はどこで飛ばしますか?」や「コマの回し方は覚えてますか?」といった会話もさせていただきました。コマの事を聞いたときは多くの方がコマを回す動作をされていました。手遊びは、基本的にほとんどの方ができていましたが、後列の寝たきりの方には難しい様子だったので、スタッフの補助をいただき、実施いただけました。同時に暗唱も考えていましたが、後列の方の手遊びをしっかりと見るため、暗唱は実施はしませんでした。

5.合奏
『うさぎとかめ』を歌唱し、楽器にて合奏。今回は曲に合わせ、3・3・7拍子を多めに取り入れ、全員が鳴らすタイミングを合わせれるように、しっかりと止めれるようにを目標として実施致しました。
→歌唱は簡単で声もよく出ていました。時間等の関係で短い時間の練習にはなりましたが、目標としていた止める・鳴らすタイミングを合わせるはしっかりとできていました。中には、初参加の方が「もう一回しよう!」と言っていただきましたので、合奏終了後に、全員でもう一度3・3・7拍子、そして一本締めを実施し、楽器を回収しました。

6.懐メロ
『東京行進曲』『リンゴの唄』を歌唱し、そして追加で昭和21年(リンゴの唄)に合わせ、『東京の花売り娘』の本人歌唱曲を聴いていただきました。
→『東京行進曲』では、歌唱後に「昭和4年の曲で、…」と話をさせていただくと、前列の男性の方が急に立ち上がり、「俺が昭和5年生まれだから、1年前です。」と言われまして、スタッフの方が慌てて補助に来ていただきました。自分でもまた座っていただくように誘導し、座ってはいただけました。この男性の方は初参加の方で、後でスタッフに話を聞くと、元々言葉が出にくい発語が難しい方で多動があった様子でした。多動も昔に社交ダンスを得意として、何年もしていたと伺いました。ですが、声を出されている姿にスタッフの方は驚かれて「会話できる程の発語がその時一回だけできていた。」と言っていただきました。『リンゴの唄』では、「今回は初参加の方が多いため人気曲を取り入れてください」といった要望が多かったため実施致しました。歌唱としては、今回のプログラムの中では一番声が出ていました。その後の本人曲の『東京の花売り娘』は曲が流れると、ほとんどの方が歌い出しで気が付き、小さく口を開き唄っていました。(「聴きましょう」と言ったため)そして、寝たきりの方の反応を見ていると、数名の方が目を半分開けしっかりと聴いている姿が見れました。スタッフの方の補助にて指でリズムを取っていただけるようにもできました。

7.体操
自分も一緒に座りながら体操を実施。
→体操は、ほぼ全員の方が参加できました。事前にスタッフの方に話を聞いたとき、「この体操が好きな方もいらっしゃる」と言っていただきました。そのため、毎回同じ内容の体操を心掛け実施致しました。そしてクールダウンへの誘導をしました。

8.クールダウン
『夕焼け小焼け』を歌唱し、クールダウンをとり終了しました。今回は、研修にて学んだ【ピアニカ】を取り入れて夕焼け小焼けを演奏しました。
→音を聴いていただくために、歌唱前に少し『ふるさと』を演奏しました。多くの方が目を閉じ聴いていただけたので、そのまま『夕焼け小焼け』にもっていくことができました。クールダウンもしっかりと取れ、ピアニカでの受動的音楽療法にもなりました。

プログラムは以上になります。少し時間が押してしまったため、14:00スタート、15:05終了になります。

記録・反省

・今回は普段との曜日も違うため、初参加の方が多くいらっしゃいました。普段参加の多くの方にも顔は覚えていただき、誘導時に「先生こんにちは。」と言っていただきました。
→しっかりと、音楽療法の時間ということが認識できていました。
・上記とは同じになりますが、声が今回は非常によく出ていました。はじめから最後までしっかりと集中されており、声も出し、参加もされている方が多いように見受けられました。
→普段の実施も同じように参加率は高いですが、今回は特に高いように思えました。そのため、「普段の実施日でも同じように今回程参加いただけるか」を次回考察します。
・6にて書いた、男性の方は、スタッフの方が非常に驚いてました。発語が難しく、認知症も増し、多動があるため、スタッフの方も注意はされてた様子ですが、「声をそんなにはっきり出される姿は、先生の話をしっかり聞いて理解している証拠です。回想もされて自分で振り返っている姿が見受けられました。」とスタッフの方にも終了後に話をいただけました。(次回は水曜日のため参加は不明ですが、午前の歌体操にて今回の方法を取り入れていただけるようにスタッフの方に指示させていただきました。)
・年内の音楽療法は、今回にて終了になりますが、スタッフの方には「認知症の進行を抑制、維持するのには非常に勉強になり、利用者の毎日の行動や会話も増して、QOLの向上には間違いなく関わっています。」とのことでした。

学院長より

素晴らしいですね。しっかり効果も出して、私の音楽療法をしっかり理解して実践して頂いてることに感謝します。頑張って下さいね。人数が多いのと、スタッフが補助に入ってくださってるようなので、事前に内容と援助のお願いをされておかれれば、後ろの寝たきりの方にももう少し参加して貰えるんじゃないの?事前説明は短い時間でいいのでね。